富山県知事肖像

富山県知事 石井隆一

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去る平成28年10月23日の知事選挙で、多くの県民の皆さんの温かく力強いご支援とご支持をいただき、引き続き富山県政を担うことになりました。私にお寄せいただきました県民の皆様の信頼と期待にお応えするため、ふるさと富山県の発展と県民の皆様の幸せのために全力を尽くしてまいります。なお、今般の選挙の間に、政務活動費の問題についても、少なからぬ県民の皆様からご質問やご意見をいただきましたので、この機会に、私の考えを申しあげたいと存じます。(10月25日)

Ⅰ 第4期目を迎えるにあたって

1 去る平成28年10月23日の知事選挙で、多くの県民の皆さんの温かく力強いご支援とご支持をいただき、引き続き富山県政を担うことになりました。私にお寄せいただきました県民の皆様の信頼と期待にお応えするため、ふるさと富山県の発展と県民の皆様の幸せのために全力を尽くしてまいります。

初登庁、当選証書付与式.jpg

2 私は、10月6日の告示以来17日間の選挙期間において、県民の皆さんお一人おひとりが、未来に夢と希望を持って、いきいきと働き暮らせる元気な富山県を創りたい、そのために、「活力」「未来」「安心」の3つの基本政策と、これらを支える重要政策「人づくり」に関する、合わせて100の政策を推進したいと、県民の皆さんに決意をお話しました。

 

 

3 富山県は、北陸新幹線の開業により、新しい時代を迎えています。この新幹線開業と、数年来の働きかけにより、国の重要政策の一つとしていただいた「地方創生戦略」を2つのフォローの風として最大限に活かし、富山県の新たな未来を切り拓いてまいります。

 

 

4 今回の選挙戦を通して多くの県民の皆さんにお会いすることができ、

(1)この12年間の真摯な行財政改革の取組みにより、約400億円の財政構造赤字をゼロとし、あわせて新幹線建設事業費の地方負担の大幅な軽減(約618億円の軽減。事業費の約7,100億円の3分の1の地方負担約2,300億円を、他の方策とあわせて実質約9分の1に縮減)も実現でき、本県の新たな飛躍に向けて必要な施策展開に全力を傾注するための行財政基盤を確立することができたことをご説明するとともに、

(2)今後は、第4次産業革命の進展を踏まえたものづくり産業の活性化、観光や農業の振興、中小企業・小規模企業の持続的発展、魅力あるまちづくり、結婚・出産・子育ての願いがかなう環境づくり、35人学級選択制の小学4年生への拡大など学校教育の振興、県立大学での全国初の医薬品工学科等の新設、4年制看護学部の創設、健康寿命日本一の県づくり、災害に強い安全・安心な地域づくり、北陸新幹線の京都・大阪への早期延伸、さらには富山県へのUターンや移住等を重点的かつ戦略的に推進したいと訴えてきました。

 

 

5 その際、地域や企業、医療、看護、農林水産業などの様々な分野で、種々の課題を乗り越えて、もっと魅力ある製品や産品、或いはサービスを提供しようと一所懸命、ひたむきに頑張っておられる県民の皆さんにお会いし、お話をお伺いするなかで、多くの県民の皆さんから私への信頼、期待のお気持を感じることができ、ありがたくうれしく思いました。

私は、こうした多くの県民の皆さんと手を携え、その知恵と力を結集して、また国会議員の先生方、県議会議員や、市町村長、経済界をはじめ各界の皆様方と力を合わせ、「チーム富山」の姿勢で、富山県の新たな飛躍、発展と県民の皆さんの幸せのために全身全霊を挙げて邁進してまいります。

今後とも、これまで以上のご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申しあげます。

 

 

Ⅱ 政務活動費の問題について

1 さて、今般の選挙の間に、政務活動費(充てることができる経費は資料1参照)の問題についても、少なからぬ県民の皆様からご質問やご意見をいただきましたので、この機会に、私の考えを申しあげたいと存じます。

私は、常日頃、清潔で公正公平な県政を推進すべきと考えており、今回の政務活動費の問題は、決してあってはならないことで、誠に残念に存じております。

 

 

2 政務活動費については、

① 全国都道府県議会議長会の要望を踏まえ、地方分権の進展に対応した地方議会の活性化を図るために、平成12年に議員立法で地方自治法が改正され、「政務調査費」の交付に関する規定が設けられ、併せて、「政務調査費(現、政務活動費)の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、収入及び支出の報告書を議長に提出する」規定(現行の地方自治法第100条第14項、第15項(資料2参照))が設けられました。

② 会派や議員の政治活動の自由の確保と透明性の確保を図る観点から、この政務調査費(現、政務活動費)は、法令に基づき、議長には領収書等も含めた詳細な報告がなされる一方で、知事には総括的な収支報告書類のみ(これらの書類のみでは支出状況が適正か否かを判断することは、通常困難です。)が送付される仕組みとなっています(富山県政務活動費の交付に関する条例第9条、富山県政務活動費の交付に関する規程第5条(資料2参照))。

③ 平成24年には、地方議会議員の責務の明確化及び活動基盤の強化を図るため、「政務調査費」から「政務活動費」に名称を変更し、「議長に対する透明性確保の努力義務(地方自治法第100条第16項(資料2参照))」を追加するなどの地方自治法の改正が行われたところです。

 

 このように、知事と議会との二元代表制を背景とする「抑制と均衡の理念」に基づく政務活動費の仕組み・性格から、知事は、議会の取組みを原則として尊重することとされており、知事自らが、「議会の執行機関に対する監視の機能を果たすための政務調査活動に充てられることも多い」と考えられる政務調査費などの政務活動費の具体的な目的や内容等に立ち入って審査するようなことは、一般的には予定されていないと考えられます(最高裁判決(平成21年12月17日))(資料3参照)。

 しかしながら、7月中旬以降、政務活動費の使途に不正・不適切な事案が県議会のほか富山市議会、高岡市議会で相次いで発生したことにより、県民の行政や議会に対する不信感が高まっています。

 このため、県議会については、地方自治法により、県を統轄し、また、予算の執行権を有する立場にある知事として、事案の発覚後、議長及び議会事務局に対して、不正・不適切な支出と認められるものについては、速やかに返還してもらうよう申し入れるとともに、今後、不正・不適切な事案が二度と生じない透明度の高い仕組みとするよう、強く要請してきたところです。

 

 

3 県議会におかれては、8月に入って、「政務活動費のあり方検討会」を設置し検討を進められ、その後9月26日の各会派代表者会議(自由民主党、社民党・無所属、日本共産党、公明党、県民クラブ、無所属の会)において、①ホームページでの領収書等の公開(全国で4番目)、②会計帳簿の提出義務化(全国で13番目)、③第三者機関の常設設置(全国で8番目)、④議長の権限強化(調査に加え、勧告、命令、公表を新たに付与(全国で4番目))の4項目からなる改革案をとりまとめられました。(資料4参照)

 各会派や議員各位におかれては、このような不正が二度と起こらないよう、今回の教訓を踏まえ、しっかりと襟を正して、その執行にあたり、適正な運用を図っていただきたいと考えております。

 

 

4 なお、「告訴・告発(資料5参照)」をしてはどうかとのご意見も一部にみられますが、富山県議会の場合、

① 既に、自民党元県議については、自民党会派及び議長から県警察に関係書類が提出されるなど、任意の捜査協力が行われていること

② 民進党元県議等についても、議長から、不正・不適切なものを返還することも含め適正を期すよう求めていること

③ 政務活動費は、二元代表制のもとでの知事と議会との「抑制と均衡の理念」を背景とした仕組みとなっていること

④ 一昨年(平成26年7月)の兵庫県議会の場合は、元議員本人が事実関係を明らかにせず、議会の調査にも応じなかったことから、各会派代表者(自由民主党、民主党・県民連合、公明党・県民会議、日本共産党、無所属)が連名で「私人の立場」で告発したこと

などを勘案し、法的解釈等について顧問弁護士の意見も伺って、「犯罪捜査の端緒」とされる告訴・告発の時機を過ぎていると考えられる事案があることなどの状況を踏まえ、現時点では、その手続をとらないこととしております。

 ちなみに、県議会の各会派代表者が連名で告発した兵庫県の場合と違って、本県議会においては各会派代表者会議などの場でいずれの会派(自由民主党、民進党、社民党・無所属、日本共産党、公明党、県民クラブ、無所属の会)からも議会・議員自ら告発すべきというご意見はなかったと伺っております。それにもかかわらず、今回の知事選挙の際に、一部の政党推薦の候補者から、議会側ではなく専ら知事が告発すべきと主張されたことは、大変理解に苦しむところです。

 この問題については、地方自治の根幹の一つである知事と議会との二元代表制のもとでの政務活動費の仕組み・性格について十分考慮して、議会側で自己改革をしていただくことを基本とした適切な対応が求められていると考えます。

 

5 次に、前述のとおり、県を統轄し、また、予算の執行権を有する立場にある知事として、私は、議会でとりまとめられた改革案が県民に見える形で早急に実行されるよう、議員提案により制定された現行の「富山県政務活動費の交付に関する条例」の改正を議会に申し入れるとともに、具体的な議会の改革の取組みが適正になされることを、引き続き、強く要請したいと考えております。

 また、仮に、元県議側の調査や捜査などに進展がみられない場合には、議会側と協議し、政務活動費の支出状況が適正か否かを判断できるような詳細な資料の提供を受けたうえで、告訴・告発をすべきか、仮に、告訴・告発が必要と判断される場合、議会側、首長のいずれがなすべきか等を含めて、改めて検討し、議会側とも再度、必要な協議を行ったうえで、適切に対処したいと考えております。

   

 

6 むすびに、今回の事案を教訓として、改めて、私も含めて職員一人ひとりが、公務に要する経費は県民・国民の税負担によるものであることに思いを致し、今後とも、県民奉仕の精神に徹し、公正で適切な事務事業の執行に努めるとともに、引き続き、オープンでわかりやすい県政の推進に積極的に取り組んでまいります。

 

 

資料1 政務活動費を充てることができる経費の一覧.pdf

資料2 関係条文.pdf

資料3 最高裁判決.pdf

資料4 各会派代表者会議でとりまとめられた改革案.pdf

資料5 刑事訴訟法第239条の「告発」について.pdf

2016.10.25