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富山県知事 石井隆一

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富山県美術館が、3月25日の一部開館に続き、4月29日(土)に屋上庭園「オノマトペの屋上」を開園しました。オープニングセレモニーには、近隣の小学校の児童約300名が参加し、付き添いの保護者の方々とともに、華を添えていただきました。
その後、富山県美術館を設計していただいた内藤廣さんとオノマトペの屋上をデザインされた佐藤卓さんとご一緒に記念鼎談を行い、大変有意義で楽しい時間を過ごすことができました。引き続き、8月26日(土)の開館に向け、着実に準備を進めてまいります。(5月11日)

1 富山県美術館屋上庭園「オノマトペの屋上」オープニングセレモニー・・・「みんなでチョキチョキ」

 富山県美術館が、3月25日の一部開館に続き、4月29日(土)に屋上庭園「オノマトペの屋上」を開園しました。この日は、素晴しい好天に恵まれ、雄大で美しい立山連峰が間近かに望める屋上庭園で、午前10時45分からオープニングセレモニーを開催しました。渡辺守人県議会副議長や富山県美術館を設計された建築家の内藤廣さん、屋上庭園のコンセプトを提案し、そのレイアウトや各遊具をデザインされたグラフィックデザイナーの佐藤卓さんなどのご来賓や関係者の方々、近隣の芝園小学校や奥田小学校の約300名の児童の皆さんやその保護者の方々など、多数の皆さまに参加いただき、誠に喜ばしく、有難く思いました。私と渡辺副議長のご挨拶、祝辞のあと、開園記念のテープカット「みんなでチョキチョキ」を行いました。

 

1テープカット、子どもたちの様子.jpg

 色とりどりの手袋をはめた児童の皆さんが、私たちのテープカットにあわせて、つないだ手を各々、頭上でパッと開くと、まるで屋上庭園に色とりどりの花が咲いたようにみえ、オープニングセレモニーに華を添えてくれました。

 セレモニーが終わると、子ども達は、「ふわふわドーム」をはじめ8種類の遊具に思い思いに駆け寄って、楽しそうに遊んでいました。特に、ふわふわドームは大人気で、数十人の子ども達が一斉にのぼってピョンピョン跳ね回って楽しんだため、空気の送り出しが追いつかず、中央部が一部へこんでみえたほどでした。

 

2ふわふわドームで遊ぶ子どもたち.jpg 

 富山県美術館が建つ県立の富岩運河環水公園の西地区には、従来、「見晴らしの丘」と名付けた小高い丘に「ふわふわドーム」と呼んでいた遊具が設置されており、子ども達に大変人気がありました。また、従来の県立近代美術館が諸事情(耐震性の不足、水冷式の消火方法のため、万一の場合、世界的な名画等を毀損することになる等)を踏まえた県立文化施設耐震化・整備充実検討委員会(委員長:髙木繁雄県商工会議所連合会会長)での審議、検討により富岩運河環水公園西地区に移転新築することが望ましいとされた(2013年9月2日)頃、黒部市での「とやまっ子みらいフェスタ」の会場でお子さん連れのお母さんから、「環水公園に移転新築することは富山駅から近くなり、黒部からも往きやすくなるのでうれしいが、この子が大好きな『ふわふわドーム』は、ぜひ残してほしい。」との要望をいただくなどのエピソードもありました。

 そこで、富山県美術館の設計のプロポーザルの際、建築物として備えることが必要な常設展示室、企画展示室、アトリエ、ギャラリー、講座室、ホワイエ、レストラン、カフェなどに加えて、この「ふわふわドーム」を残すことを条件の一つとしたところ、参加されたわが国有数の著名な建築家の方々から、各々優れた提案をいただきました。その中でも、最優秀作に選ばれた内藤廣さんの提案設計では、「ふわふわドーム」を他の何らかの遊具などとともに屋上に配置する案となっていました。その具体的な設計を、内藤さんの推薦もあってグラフィックデザイナーの佐藤卓さんにお願いすることとしたところ、佐藤さんが、「ふわふわ」という言葉をヒントに、擬音語や擬態語を表す「オノマトペ」から発想したオリジナルの遊具を、ふわふわドームとあわせて屋上に配置する「オノマトペの屋上」の整備を提案してくださいました。

 遊具は、「ふわふわドーム」に加え、「ぐるぐる」「あれあれ」「ひそひそ」「つるつる」「うとうと」「ぷりぷり」「ぼこぼこ」を合わせて8種類ありますが、いずれも佐藤さんのオリジナルデザインで、幸い、どれも大変色鮮やかで見ているだけでも楽しくなり、子ども達は大はしゃぎでした。オノマトペの屋上については、日中は、子ども達がこの遊具を使ってアートやデザインを体感してもらう場とし、夜間はそれぞれの遊具をライトアップして、若者や大人たちが、見たり触れて楽しんでいただけるよう、夜10時までオープンすることにしています。

 子ども達や親子連れだけでなく、幅広い世代の皆さんが、観光客も含めてこの「オノマトペの屋上」を大いに楽しんでいただけることを期待しております。

 

3遊具で遊ぶ子どもたち、ライトアップの様子.jpg 

2 内藤廣氏と佐藤卓氏との記念鼎談

 セレモニー後、屋上庭園の開園を記念して、内藤廣さん、佐藤卓さんと私とで記念鼎談を行いました。

 富山県美術館は、3月25日の一部開館以来4月29日までの1ヶ月余で10万人(5月8日までの約40日間で20万人)を超える方々にお越しいただきました。全面開館前で展示室は空っぽですが、屋上からはもとより、3階や2階のホワイエの全面ガラス張りの窓からも立山連峰の絶景に目を見張り楽しめることや、創作体験が行える3階のアトリエ、2階の屋外広場に設置された温かみのある表情をしたクマのオブジェ、3階の東京日本橋の老舗洋食店、天井や内壁に使った氷見の里山スギ、富岩運河環水公園のいたち川沿いの延長約300メートルのプロムナードなど、美術館のコンセプトや内部構造、公園と一体化した空間設計などを高く評価する声をたくさんいただいています。展示室が空のままの一部オープンの段階で、このように多くの方々にご来訪いただけていることは、まさに、富山県美術館が、4月29日オープンの「オノマトペの屋上」も含めて、大きな魅力を感じていただける優れた建築物となっていることの現われではないかと、喜ばしく思います。

 鼎談では、私から、①富山県美術館の移転新築に至った理由、富岩運河環水公園の西地区を移転先として選んだ経緯や考え方、②富山県美術館では、20世紀美術の流れを展望できる美術館を目指すという近代美術館の開館当初の理念を継承・発展させること、③あわせて、アトリエやギャラリーを設けて鑑賞のみでなく体験や交流、創造のきっかけづくりを重視すること、④世界5大ポスター展の一つと評価される世界ポスタートリエンナーレトヤマを30年間育成してきたことや、国際的な椅子のコレクションも活かしながら、これまで以上に積極的にアートとデザインをつなぐ美術館を目指すことなどをお話しました。(この間の事情、考え方を詳しく知りたい方は、ブログ(「高志の国から、徒然日記」 2013年9月5日、同10月11日、同12月9日)をご覧下さい。)

 また、内藤さんには、これまでの諸著作に加えて最近、「場のちから」という新著を発刊されたこととも関連して、美術館全体の設計の考え方や苦心され工夫されたことなどを、「デザインあ」などで著名な佐藤さんには今般の遊具を考えられた際のコンセプトや特に工夫された点などをお伺いし、あわせて、お二人にアートとデザインをつなぐ美術館に対する期待などについてお伺いしました。

 

4内藤氏、佐藤氏との記念鼎談.jpg 

(内藤廣氏の発言)

 内藤さんには、3月25日の美術館の一部オープンの際に、「ありえない美術館ができるまで」とのタイトルでご講演いただきましたが、その際、設計コンセプトについて、『ここにいても いいよ』と言われているように感じる建物にしたいと思った」として、立山連峰を一望できる全面ガラス張りの窓などの工夫をしたことや、天井や内壁に使った氷見の里山スギの県産材について「経年変化で、5、10年後に独特の艶と風合いが出てくる」などのご発言をされていました。

 この日は、内藤さんから、これらに加えて、「屋上庭園に遊具があり、子ども達の遊び場とした美術館は、おそらく世界で初めて。2階を喜びと悲しみ、苦悩を提起し心を見詰める20世紀美術のアートの空間に、3階を他者にこれらの気持ちを伝え、共有する役割も担うデザインの空間に、さらに、屋上を未来を担う子ども達にアートやデザインの素晴らしさを教える遊び場とすることで、アートとデザイン、未来の3つがつながる美術館とした」ことなどをご紹介いただきました。

 

5建物外観、内観.jpg 

(佐藤卓氏の発言)

 佐藤さんからは、環水公園西地区に従前からあった「ふわふわドーム」の「ふわふわ」の言葉に面白さを感じ、屋上や遊具のテーマを擬態語、擬音語にするアイデアを思いついたこと、建物の設計者の内藤さんはともかく、発注者の知事が「ぷりぷり」などの擬音語の遊具などからなる「オノマトペの屋上」といったコンセプトを前向きに受け入れてくれるか若干心配だったことを話され、会場から笑い声も聞かれました。また、「子どもの遊びのために大人は本気になることが大事で、そうでないと子どもは直ぐに感じとってしまう」と指摘されました。

 また、私から、県美術館が20世紀の世界の美術の流れを展望するという近代美術館の当初の理念の継承・発展とともに、三宅一生さんや青柳前文化庁長官などが提唱されてきた国立デザイン美術館構想を踏まえつつ、アートとデザインをつなぐ美術館を目指したいと申し上げた上で、この方向性についてのご意見を伺ったところ、佐藤さんから、尾形光琳の紅白梅図屏風を例に、「アートとデザインの2つの視点で見ることが重要であり、この両方の視点を持った美術館ができたことはすごいこと」とお話いただきました。内藤さんも「今こそ、デザインとアートが出会うべき時である」と発言されました。

 最後に、私から会場の雪山館長に、8月26日全面開館に向けた諸準備も含め、今後の美術館活動への意気込みを語っていただくよう、お勧めしました。

 雪山館長からは、「子ども達がふわふわドームで飛び上がるのを見ていて胸が熱くなる思いがした。この美術館は、心だけでなく、体でも感じていただける美術館にしたい。新しい可能性を抱いているこの美術館を、皆さんと一緒に育てていきたい。」との発言がありました。

 

6記念鼎談の様子.jpg 富山県美術館は、7月末まで建物周囲の外構工事を行うとともに、貴重な美術品の保管・展示に必要な展示室内部の環境を整えており、引き続き、8月26日(土)の開館に向け、着実に準備を進めてまいります。

 

 

3 静岡 未来・人づくり塾の塾生OBの方々の来訪

 この日、午後5時過ぎ、静岡県から来訪された11名の方々を、富山県美術館にご案内しました。私が、四半世紀前に赴任した静岡県で、当時の斉藤滋与史知事にご相談のうえ開設し、初代塾長を務めさせていただいた静岡未来・人づくり塾の元塾生の皆さんで、現在、大学の特任教授、副町長、市議会議員、政令市の局長、NPO法人の理事長などとして活躍されています。かつて、公務で静岡県を訪問した際にお会いして以来、約10年ぶりの方や、なかには25年ぶりにお会いする方もおられましたが、北陸新幹線開業もあり、久しぶりに顔を見たいと訪ねてきていただき、うれしく思いました。

 私から、富山県美術館の目指す方向や魅力の一端を紹介しましたが、向学心や好奇心の旺盛な元塾生の皆さんですから、館内での体験型の展示や、子ども達がふわふわドームなどの遊具で遊ぶ姿、三沢厚彦さんのクマの彫像などを楽しんでもらい、また、参考にもしていただけたように思いました。

 その後、皆さんから静岡県などでの活動の状況をはじめ近況をお伺いしました。また、私から、新時代の「とやま未来創生」の取組みや北陸新幹線の大阪への早期延伸と東海道新幹線とのループ化により、首都圏、中部圏、関西圏と北陸とが連携し、世界的にみても多彩な魅力あふれる大ゴールデン回廊の創出が図られるよう、経済や文化などの面で、お互いの特色・強みを磨き、協力していきたいといったお話をするなど、旧交を温め、楽しい一刻を過ごすことができました。

 

7静岡未来・人づくり塾の塾生OBの皆さんと.jpg

2017.5.11