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富山県知事 石井隆一

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観光説明会・交流会開催等のための韓国訪問及び富山県・沿海地方友好提携25周年を記念してのロシア訪問の結果について報告します(8月3日)

 7月6日(木)から9日(日)まで、観光説明会・交流会開催等のため韓国を訪問するとともに、富山県・沿海地方友好提携25周年を記念した友好訪問団、経済・物流訪問団及び観光訪問団の団長としてロシアを訪問しました。

(1)今回の訪韓は、ソウルの旅行会社等に対し本県の多彩な観光資源をPRする観光説明会・交流会を開催するとともに、エアソウルの柳代表取締役社長にお会いし、直接、富山-ソウル便の通年運航の実現または少なくとも運休期間の短縮と、現行の運航時刻をもう少し早い時間帯に変更することを求めたいと考え、実施したものです。

(2)訪露については、富山県と沿海地方との友好提携25周年をお祝いするとともに、今後、貿易・経済の促進、物流の活性化、文化・教育等の分野での関係強化、観光、環境保全の協力促進等をさらに進めるため、私が団長を務め、稗苗県議会議長や県内各界の代表者の皆さんを団員とする友好訪問団、経済・物流訪問団及び観光訪問団とともに沿海地方を訪問しました。

 本稿では、今回の韓国及びロシアへの訪問のうち特に印象深かった事項について少し詳しく報告します。

 

1 韓国訪問

(1)エアソウル柳代表取締役社長との会談

 韓国に到着して、まず、富山-ソウル便を運航しているエアソウルの柳光熙(リュ グァンヒ)代表取締役社長と会談しました。

 冒頭、私から、富山-ソウル便は1993年4月に就航以来、本年で25年目を迎えましたが、就航から昨年10月まではアシアナ航空に、昨年11月からはエアソウルが引き継ぎ、運航を継続していただいていることに謝意を表させていただきました。

 その後、昨年の立山黒部アルペンルートの外国人観光客数が過去最高の24万2000人、このうち韓国からの観光客は1万8000人で対前年10%増となったこと、今年4月から6月までの実績では韓国人観光客は83%増となっており、また黒部峡谷鉄道も同じ期間に77%増となっていることをお伝えしました。その一方で、韓国の大手旅行会社によると、立山黒部アルペンルートなど富山県への送客は大変好調だが、送客の際、その多くが中部空港や小松空港からの大韓航空を利用していると伺っていましたので、富山への送客を取り込むためには、エアソウルの韓国国内での知名度向上や団体向けチケットの早期販売等の課題があることから、さらなる営業努力をお願いするとともに、本県と連携することでさらなる利用増が相当程度見込まれることをお伝えしました。

 富山-ソウル便について、実務的には機材繰りの課題があるということですが、できれば通年運航、少なくとも運休期間の短縮を要請するとともに、運航時刻について2時間程度早めていただければ、他の国際線への乗り継ぎ利用やソウル市内での会合などに出席しやすくなるので検討をお願いしたいとお伝えしました。

 これに対して柳社長からは、富山-ソウル便に対するこれまでの富山県の支援や今般、ソウルで観光説明会を開催いただくことに感謝しており、知事の指摘のとおり、確かに韓国人の訪日需要は伸びており、エアソウルとしても取り組みを強化し、ご懸念のことは適切に対処したいとの返答をいただきました。

 まず、富山-ソウル便の通年運航等については、エアソウルとしても重要な宿題と捉えており、この場では確言できないものの、当社として最大限努力したいこと、また、私(柳社長)にとって日本路線には様々な宿題があるが、一番の宿題は富山-ソウル便の通年運航等と考えており、よく検討するので時間を頂きたいとの返答があったものです。

 私から、柳社長の「前向きに検討」とのお答えに謝意を表するとともに、①立山黒部アルペンルートは韓国では50代、60代の中高年の方に人気と聞く一方で、若い外国人個人旅行客(FIT)には独り旅のできるスポットが人気と聞いているが、富山県には内川・新湊周辺の散策や、富岩運河環水公園からソーラー船に乗って岩瀬の街歩きをするなど独り旅に恰好の観光資源があり、若い人に多いFIT層へのアピールと誘客にエアソウルと連携して努力していきたいこと、また、②韓国の方は雪見をしながら温泉を楽しむのが大変お好きと聞いているが、宇奈月温泉、庄川温泉等ではそれが魅力のスポットが多くあり、こちらも是非楽しんでいただきたいことなどをお話ししました。

 

1富山空港を離陸するエアソウル.jpg

(2)韓国での観光説明会・交流会の実施

 7月6日(木)18時40分から20時45分まで、エアソウルの柳光熙代表取締役社長、JNTOソウル事務所の任榮鴻(イム ヨンホン)局長をはじめ、韓国の旅行会社(11社)やメディア(4社)等にご参加いただき、大変盛況に「韓国観光説明会・交流会」を開催することができました。

 私から、①昨年の立山黒部アルペンルートを訪れた韓国からの観光客数は約18,000人で、対前年比110%であったが、さらに本年4月から6月は、対前年比183%と大変好調に推移していること、②富山県には、自然が豊かで美しく、トレッキングも楽しめる立山黒部アルペンルートや黒部峡谷のほかにも、世界遺産五箇山合掌造り集落、国宝瑞龍寺などの多彩な歴史・文化、新鮮な海の幸・山の幸や温泉など、魅力的な観光資源が豊富であること、③富山湾は「世界で最も美しい湾クラブ」への加盟(平成26年10月)が承認されるなど、その魅力が世界からも広く認められていること、④台湾の自行車新文化基金会の劉麗珠執行長(ジャイアント会長のご令嬢)ご一行が参加され、私もご案内も兼ねて67㎞のサイクリングを楽しんだこと、⑤富山―ソウル便が少なくとも年間を通して週3便以上運航し、柳社長と一緒に富山湾岸サイクリングを楽しめる日が早く来ることを、私の夢として祈念していること、などのご挨拶をしました。

 2観光説明会での挨拶.jpg

 エアソウルの柳代表取締役社長からは、①富山県はアルペンルートや称名滝など自然景観に恵まれた美しい観光地であり、今回の説明会を機に、エアソウルを利用して富山県を訪れる観光客が増加することを期待している、②エアソウルとしても、両国の観光産業等の発展のため、富山県と引き続き協力していきたいと考えており、関係者の皆様にもますますのご支援をお願いしたい、とのご挨拶をいただきました。

 その後、韓国のプレゼンターから、パワーポイントにより、立山黒部、黒部峡谷、五箇山合掌造り集落等の県内主要観光地、アウトレットパーク北陸小矢部、高岡御車山祭りなどの曳山行事、高岡の鋳物工場「能作」、富山県美術館などの新たな観光資源、これからを周遊するモデルコースを説明し、今後の送客を働きかけていただきました。

 韓国側の旅行会社からは、「今回の観光説明会で、富山の大自然を満喫できるトレッキングをはじめとするアクティビティ体験や、温泉などの観光資源を良く理解できた」「韓国で人気のある紅葉の季節の富山県への送客に向け、商品造成を促進していきたい」などの積極的な発言が寄せられ、今後の更なる誘客に手応えを感じました。

 

3観光資源等の紹介と説明.jpg なお、観光説明会・交流会の開催に先立ち、15時30分から18時まで、同ホテル内の別会場において、県内10観光事業者と現地旅行会社等(15社・25名)との商談会を開催し、今後の旅行商品造成に向けた活発な商談が行われました。参加した富山県の事業者からは、「富山空港・富山駅からの詳細なアクセスを質問されるなど、富山県に関心の高い韓国の事業者が多く、今後の韓国からの送客に期待できる」などのコメントが寄せられ、参加団員は、今後の韓国からの送客に対するかなりの手応えを感じていました。

 

4活発に行われた商談会.jpg 

2 ロシア訪問

(1)沿海地方知事表敬訪問と新協定書の締結

 7月7日、沿海地方政府 ミクルシェフスキー知事とお会いしました。ミクルシェフスキー知事は2012年(平成24年)に沿海地方知事に就任されており、私がお会いするのは初めてでした。沿海地方政府へは、稗苗県議会議長をはじめとした県友好訪問団の団員の方々と、大野県議会議員を団長とする日露友好議員連盟訪露団とともに訪問しました。

 会談では、ミクルシェフスキー知事から、25周年という節目の年に22名という大きな代表団が訪問したことに感謝するとの挨拶に続き、①沿海地方など極東地域については、既存の「特別経済区」とは異なる投資優遇制度の適用や、ウラジオストク市とその周辺地域を新たな経済特区とし税の減免や入国ビザ制度を簡素化するウラジオストク自由港法の施行がなされるなど、プーチン大統領はじめ中央政府が、その発展に力を入れていること、②サンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館の分館と位置づけた文化施設をウラジオストクに建設するなど、文化面の魅力を高めることにより観光振興を図ることも検討を進めていること、③両県・地方の経済交流はもとより、文化交流の促進も図り、今後毎年、富山県文化DAYSを沿海地方で、沿海地方文化DAYSを富山県で継続的に開催することについても検討したいこと、等についてお話がありました。

 

5沿海地方政府での知事挨拶.jpg

 私からは、まず挨拶として、友好訪問団及び日露友好議連訪問団を受け入れていただいたことについて感謝を申しあげました。そして、①25年の間、海外技術研修員、県費留学生、県職員派遣などの交流、伏木富山港とウラジオストク商業港を中心とした物流・経済面での交流、NOWPAPや2016北東アジア自治体環境専門家会合とやま宣言に沿った環境保全の面での協力など、様々な分野での交流が進展していること、②ロシア極東地域の発展を目的とした「優先的社会経済発展区域(TOR)」やウラジオストク自由港に関する連邦法が各々2015年に施行されたことは私も承知しており、沿海地方の発展のため喜ばしいと考えていること、③安倍総理がプーチン大統領に提案し合意された8項目の経済協力プランの進展のためには、国レベルでの交流進展とともに、地方における交流が不可欠であると考えていること、④したがって、これまでの交流の実績を踏まえて、富山県と沿海地方が貿易・経済、人的及び文化交流・協力のための新たな協定書を結び、両県・地方がWin-Winの関係で、ともに発展するよう、お互いに連携・協力していきたいこと、⑤5年前まで、極東連邦大学の学長を務められていたミクルシェフスキー知事が経済面のみでなく文化面での交流への強い思いを持っておられることに感銘を受けたこと、⑥富山県は2015年の医薬品生産額が7,300億円超で全国1位となるなど、日本の地方では屈指のものづくり県であるだけでなく、4年に1度のとやま世界こども舞台芸術祭(24の国と地域から約3,000人のこどもたちやボランティアが参加)の開催や南砺市利賀の県立利賀芸術公園に世界的な演出家の鈴木忠志氏の拠点があるなど、文化の面でも特色、強みを持っていること等について申しあげました。

 次に、私とミクルシェフスキー知事が、各々両県・地方の関係強化に向け、①貿易・経済交流の促進、②物流の活発化、③文化、学術・教育、スポーツ分野での関係強化、④観光関係機関相互の関係の構築・拡大、⑤環境保全の協力促進の5分野を中心とする新協定書に署名を行いました。

 その後、友好提携締結25周年の記念品の交換を行いました。ミクルシェフスキー知事からは、サンクトペテルブルク産の花瓶が贈られました。私からは、ミクルシェフスキー知事へ、釋永由紀夫作「黒鎬花入(くろしのぎはないれ)」を贈呈しました。

 表敬訪問終了後、富山県・沿海地方友好提携25周年を記念して、沿海地方政府敷地内において、ヤマザクラの植樹式を行いました。なお、ロシアの植樹は、日本の一般的な植樹祭などと異なり、植樹する場所の穴の容量も大きく、埋め戻す土量もかなり大きい本格的なものでした。

6新協定書への署名.jpg7記念品交換.jpg8植樹式の様子.jpg 

(2)友好提携25周年記念祝賀会

 植樹ののちに、沿海地方政府主催の記念祝賀会に参加しました。ミクルシェフスキー知事からは、友好提携25周年を迎えたことは大変意義深く、また、プーチン大統領と安倍総理の首脳会談でロシアと日本の連携・協力を深める方向が打ち出されている重要な時期に富山県の訪問団を受け入れることは光栄であり、かつ、新しい協定を締結したことは喜ばしいとの挨拶がありました。

 私からは、国同士の関係の発展のためにも地域間の交流が重要で、富山県と沿海地方は日本海をはさんで対岸の近接した位置にあり、ともに良港を有するなど、共通点も多いことから、経済・物流や観光をはじめ文化面などでも更なる交流を進めていきたい、そうした積み重ねの上に、平成22年(2010年)に休止となった富山―ウラジオストク便を将来復活させることなどについても双方で努力していきたい旨のご挨拶をしました。

 なお、ミクルシェフスキー知事はざっくばらんな親しみやすいお人柄で、趣味は小型ヘリコプターを操縦することだとのことでした。私が2年前にイタリアのミラノでアグスタ社の高性能のヘリコプターに搭乗した際の印象などをお話ししたところ、大変関心を持たれるなど、祝賀会の雰囲気が盛り上がりました。

 

9祝賀会挨拶.jpg

(3)経済・物流セミナー

 7月8日(土)10時00分から11時40分まで、ヒュンダイホテルでロシアの大手船会社であるFESCO のワジム・ウラジオストク支社長をはじめ、ウラジオストク商業港のブラホーヴィチ副社長、三井物産モスクワ有限会社の岩垂ウラジオストク支店長など、日露合わせて110名の参加を得て、「経済・物流セミナー」を開催いたしました。

 冒頭、私から、今年、富山県と沿海地方が友好提携25周年を迎える年であり、また、伏木富山港とウラジオストク商業港も、友好港提携25周年を迎えることから、これを機に、富山県の産業の特色や、優れた港湾機能について理解を深めていただき、本県との経済交流や、伏木富山港を活用した日露貿易を促進してほしい旨、ご挨拶いたしました。

 引き続き、私から、①富山県と沿海地方は、1992年に友好提携して以降、県費留学生、海外技術研修員、国際交流員の受入れ、県職員派遣など、息の長い交流をしていること、②富山県は、日本海側屈指の工業集積を有しており、医薬品生産額は、2005年から2015年の10年間で2.8倍の約7,300億円となり、全国1位となったこと、③富山県の伝統工芸品は、ニューヨークやミラノといった海外の展示会でも大変高い評価を受けていること、本日から、ウラジオストク国立経済サービス大学で「とやま文化DAYS」として富山県の伝統工芸品をPRする展示会を開催することから、ぜひ足を運んでほしいこと、④伏木富山港は、日本海側で唯一、ロシアとの定期コンテナ航路(月2便)を有しており、RORO船も月5便あるなど、ロシアとの貿易に関して日本で最も利便性の高い港であること、⑤伏木富山港においてはウラジオストクなどロシアとの間で、石炭、アルミインゴット、製材などの輸入、中古自動車や自動車部品などの輸出が活発に行われており、コンテナ貨物は、2005年から2015年で約7.7倍に伸びていること、⑥富山県は、ウラジオストクからシベリア鉄道を使ってモスクワ方面へ輸出する荷主企業を県独自のインセンティブ制度を設けて支援するなど、シベリア・ランド・ブリッジの利用促進に力を入れているが、さらなる発展のためにはシベリア鉄道の定時性・迅速性の向上が必要であること、⑦本件については、2010年5月にモスクワで開催された日ロ知事会議において、富山県からシベリア鉄道の定時性・迅速性の大幅な向上を図れば、日本からモスクワをはじめ欧州北部への輸出などの物流のほとんどが、マラッカ海峡、スエズ運河、マルセイユ経由の海上輸送となっている現状の大きな変革につながる可能性があり、日露両国にとって非常にメリットがあるとの提案を行ったところ、ロシア側の議長であった当時のモスクワ市長でもあるユーリ・ルシコフ氏から大変良い提案であるとの評価を受け、共同声明に盛り込まれたなどの経緯があるが、その後も、今日に至るまであまり大きな改善がみられていないように見えるのは残念であること等について、パワーポイントを用いて説明を行いました。

 

10知事冒頭挨拶.jpg

 引き続き、伏木海陸運送株式会社の大門代表取締役副社長より、①伏木富山港は日本海交易の拠点として栄え、1859年には伏木港の沖にロシア船が来航した記録があるなど、古くからロシアとの貿易が行われていたこと、②現在、国と富山県が主体となって、コンテナターミナルの岸壁の延伸工事、コンテナヤードの拡張工事を進めていること、③港湾の情報システムの更新について官民で力を合わせて進めていきたいと考えていることなど、伏木富山港の概要や動向について説明がありました。(私は11時過ぎに退席しました)。

 

(4)FESCO支社長等との会談~シベリア・ランド・ブリッジの活性化

 7月8日(土)11時10分から11時40分まで、ヒュンダイホテルでFESCO のワジム・ウラジオストク支社長、ウラジオストク商業港のブラホーヴィチ副社長との会談を行いました。

 冒頭、FESCO副社長でウラジオストク商業港社長のザイルベック・ユスポフ氏が体調不良で、急遽、欠席となったことについて、FESCO側からお詫びの言葉がありました。

 続いて、私から、伏木富山港とロシア極東を結ぶ定期コンテナ航路を30年以上の長きにわたり就航いただいていること、2010年5月に、FESCOのウラジオストク社で当時のドミトリー・マスロフ社長にお会いし、伏木富山港のラストポート化を要望したところ、わずか2ヶ月後の7月に、ラストポート化を実現いただいたことに感謝していると、申しあげました。

 また、①富山県はロシアから石炭、アルミニウムインゴット、製材を輸入し、ロシアへは中古自動車などの輸出を行っていること、②県では、伏木富山港を拠点とするロシア物流の活性化に取り組んでおり、2014年には、荷主企業が行うシベリア鉄道を利用したモスクワ向け貨物の試行的な輸送実験に対する助成制度を設けて、貨物集荷に取り組んでいると、申しあげました。

 その上で、ウラジオストクを起点とする貨物輸送は、通関・荷役に7日、さらには10日以上要することや、シベリア鉄道の定時性等の課題があり、伏木富山港からウラジオストク商業港を経由して、シベリア鉄道でモスクワまで貨物を運ぶのに、30日間を超えるような事例もあるので、これを少なくとも20日間に短縮してほしいこと、望ましい姿としては13日間ぐらいに短縮してもらいたい旨、要望いたしました。

 これに対し、FESCOのワジム ウラジオストク支社長より、自分は35年間、この仕事をしてきて、経緯も承知しており、特にこの数年の改善努力によって、ようやく体制整備ができたので、今後は、伏木富山港からウラジオストク経由でモスクワまで20日間はもとより14日間で運ぶことにする、との言明がありました。

 

11第15回日露知事会議.jpg

 ワジム支社長の言明を受けて、私から、ウラジオストク商業港経由のシベリア・ランド・ブリッジの迅速化・活性化については、2010年の日ロ知事会議における提案と共同声明の作成や、その後の日本政府の外務省、経産省などを通じてのロシアの関係省への働きかけなど、粘り強く取り組んできたが、今回、輸送日数について、我々が望ましいと考えていた13日にほぼ近い14日にするとの言明をいただけたことは誠にうれしいと、お礼を述べました。

 

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 また、今から105年前の1912年の時点において、日本の歌人である与謝野晶子が、新橋を出発しウラジオストク経由でシベリア鉄道に乗ってフランス・パリに遊学中の鉄幹に会いに行った際に、11泊12日でウラジオストクからモスクワまで到着していることを勘案すると、シベリア鉄道は、さらなる輸送日数の短縮のポテンシャルがあると考えられるので、一層、ご尽力いただきたいと、要請しました。

 さらに、私から、輸送日数の短縮が安定的に実施されれば、シベリア・ランド・ブリッジの評価は大きく高まり、スエズ運河経由でモスクワまで貨物を運ぶのに40日から50日かかっていることに比べると非常にメリットが大きいことから、富山県内はもちろん、首都圏など大都市の荷主企業へもPRを行いたい、シベリア・ランド・ブリッジの利用が活発になれば、ウラジオストク商業港や沿海地方の発展につながり、伏木富山港や富山県にとってもメリットが大きいので、共に連携協力していきたいと、申しあげました。

 このシベリア・ランド・ブリッジの日数短縮は、富山県として過去9年にわたり要請を続けてきた課題であり、今回の会談で14日にするとの言明をいただいたことは、たいへん感慨深いものがありました。今後、確実に実行されることを期待し念願している次第です。

 

13冒頭の名刺交換.jpg

 会談に引き続き行われた、伏木富山港・ウラジオストク商業港友好港提携25周年記念レセプションでは、大勢の参加者の前で、私から、①昨日、伏木富山港とウラジオストク商業港が新たな友好港提携を締結したこと、②直前に行ったFESCO及びウラジオストク商業港の幹部の方との会談において、伏木富山港からウラジオストク港経由モスクワまで貨物を14日間で運ぶとの言明があったことを、報告したほか、③最近の日本とロシアとの新たな関係を踏まえ、伏木富山港の港湾機能の強化、人的交流の推進などに努めていきたいとのご挨拶を行いました。

 これを受けて、ブラホーヴィチ・ウラジオストク商業港株式会社副社長から、ロシアと日本が経済交流を進める中、今回の友好港提携25周年を機に、今後ともお互いに協力しながら両港が共に発展するように努めていきたいこと及びシベリア鉄道の定時性・迅速性の確保についても努力したいとのあいさつがありました。

 また、友好港提携25周年の記念品として、富山県から高岡銅器の花入れを贈り、ウラジオストク商業港からは、ウラジオストク商業港の風景を描いた絵画をいただきました。

 

14知事挨拶.jpg

(5)とやま文化DAYS視察

 7月8日(土)14時半から15時半まで、ウラジオストク国立経済サービス大学において「とやま文化DAYS」のオープニングセレモニーに出席しました。

 最初に私から、本イベントの会場として、ウラジオストク国立経済サービス大学博物館の展示室をお貸しいただいたラザレフ・ゲンナージー大学理事長に感謝申しあげるとともに、今回のイベントでは、

①富山県の優れた伝統工芸品の展示、島谷好徳氏による「すずがみ」や「おりん」の製作実演、富山県の地酒や食の試飲・試食、などを通して、富山県の魅力を存分に堪能いただきたい、

②また、今回のイベントが、昨年12月、安部総理とプーチン大統領の間で開催が合意された「ロシアにおける日本年」の事業としてロシア全土で最初に認定された事業であり、このイベントが両県・地方の文化の交流をはじめ、両県・地方関係のさらなる発展に寄与できることを願っている、と申しあげました。

 次に、ラザレフ・ゲンナージー ウラジオストク国立経済サービス大学理事長(ウラジオストク・トヤマ会会長、同日に沿海地方とやま友の会代表世話人に就任)から、「日本からの参加はもちろん、土曜の休日にもかかわらずこのように多くのロシアの方にも参加いただき、日ロの友好関係が国レベルのみならず地方間でも深まっていることをうれしく思う。この後、「沿海地方とやま友の会」の設立総会を開催するが、この会の活動によって、両県・地方の交流がさらに深まることを期待している。また、そのためにも、今後、両国の国民が(ビザなしで)自由に行き来できるようになることを願っている。」とのご挨拶をいただきました。

 続いて、スタリチコフ・アレクセイ沿海地方政府国際局長から、両県・地方は、この25年間、教育や環境、観光分野をはじめ様々な交流を積み重ねてきており、森本庭園や桜並木なども市民によく知られ、愛されている。こうしたなか、このとやま文化DAYSが開催されることは、とても有意義な機会であり、是非多くの市民の皆さんに楽しんでいただきたい。」とのご挨拶をいただきました。

 最後に笠井 在ウラジオストク日本国総領事から、「昨日、石井知事とミクルシェフスキー知事が記念植樹をされたが、多くの人々がお互いの交流という水をあげることによって、この木に両県・地方の友好のシンボルとなる立派な花が咲くことを期待している。」との祝辞をいただいた後、総領事のご発声により参加者全員が富山県の地酒で乾杯しました。

 

15石井知事_挨拶.jpg16スタリチコフ局長挨拶.jpg

 開催初日の8日は、10時の開幕から大学生や教育関係者、新聞記者、チラシを見た地元の方々など多くの来場者で賑わいました。なかには、ウラジオストク市から100キロ以上も離れたボリショイ・カーメニ市からわざわざお越しいただいた方もいらっしゃり、関心の高さをうかがうことができました。

 

17展示会の様子.jpg

 なかでも、島谷好徳さんの実演は人気が高く、多くの方々がすずを叩いて薄く延ばす技術の高さに驚き、実際に体験してみたいという方も多数おられました。また、おりんについても、「どのような時に使うのか。」、「何でできているのか。」、「市民の日常品なのか。」、「いくらするのか。」など多くの質問があり、実際に叩いてその音色に聞き入っている方も多くいらっしゃいました。

 

18島谷好徳氏_実演.jpg

 来場者へのアンケートでは、能作のKAGO、シマタニ昇龍工房のすずがみ、山口久乗のおりんなどが人気を集めました。また①デザインが面白い、②富山県の伝統的な技術が気に入り日本への関心が高まった、③とても素晴らしいイベントであり、もっとこうしたイベントを行ってほしい、④もう少し規模を大きくして実施してほしい、などのご意見を多くいただきました。

 このイベントは、大学側のご厚意などもあり、7月8日~12日まで開催しました(7月9日は大学博物館が休館のため実質4日間の開催)。大学が夏休みに入っていたにもかかわらず、開催期間中は約420人の方にご来場いただき、富山県の伝統文化・食・観光などの魅力をロシアの方々に広く発信することができました。

 

19試飲・試食コーナー.jpg

 なお、オープニングセレモニー終了後、ラザレフ理事長に、大学構内にある森本庭園(富山県ウラジオストク友好庭園)や桜並木を案内していただきました。理事長からは、森本庭園が2013年に沿海地方のトップ10の観光地になったことや、結婚式や友人の集まりなどで、この庭園が多くの市民に利用されており誇りに思っているといったお話がありました。

 

20森本庭園視察.jpg

(6)沿海地方とやま友の会設立総会出席

 この度、友好提携締結25周年を機に、ウラジオストク国立経済サービス大学理事長のラザレフ氏が代表世話人となり、これまで、県費留学生、海外技術研修員、日本語スピーチコンテスト優勝者や民間団体関係者など、様々な形で富山県に関わりを持ったロシアの人々を会員とする、「沿海地方とやま友の会」が設立されました。

 設立総会には、35名の会員のうち、ラザレフ代表世話人ほか27名が出席されました。そして、ラザレフ代表世話人により、本会の設立の宣言と活動概要の紹介、また、様々な立場の人が参加しており喜ばしく感じている旨、これから富山県と沿海地方の交流を活発化させていきたいとのご挨拶をいただきました。

 私からは、富山県の応援団として集まっていただいた会員の皆様に対し心から感謝の意を表しました。また、①近年の安倍首相とプーチン大統領による日露関係の進展を踏まえ、国と国との関係を深めていくためにも、市民・県民同士による草の根の交流が大切であり、本会の設立を、大変心強く思っていること、②今後とも、富山県と沿海地方の交流を発展させていくため、「沿海地方とやま友の会」に集われた皆様の人のネットワークの充実を図り、会員の方との絆を大事にしていきたいこと等についてお話ししました。

 

21ラザレフ代表世話人挨拶.jpg

(7)富山県・沿海地方友好提携25周年記念交流会

 沿海地方とやま友の会設立総会ののち、沿海地方政府パリャンスキー副知事や現地の旅行会社、メディア、大学の方日露合わせて100余名の方に参加いただき、「富山県・沿海地方友好提携25周年記念交流会」を開催しました。

 私から、①この数年、安倍総理とプーチン大統領が頻繁に首脳会合を行い、日露の経済分野などで協力を進めることを決めているが、これを実現に移すためには、国レベルだけではなく地方レベルでの連携協力が不可欠であるため、昨日、沿海地方政府のミクルシェフスキー知事との間で両県・地方の友好交流・協力関係の更なる深化を目指す新協定書を締結したこと、②午前中FESCOやウラジオストク商業港の首脳に会い、通関及び港湾関連手続きの日数の短縮について要請を行ったところ、伏木港からウラジオストクを経由しモスクワまで14日で運べるようにするとの言明があったこと、③これまで富山県と沿海地方が25年間積み上げてきた人的交流、経済交流、環境協力等の様々な実績を踏まえ、今後の25年間、50年間を見据えて、富山県と沿海地方とがWin-Winの関係で連携をさらに深めていきたいと考えていること、などについてご挨拶とご説明をしました。

 パリャンスキー副知事からは、①25年の交流の中でも、スピーチコンテストなど、継続的に行われている教育分野の富山県の貢献を高く評価すること、②今回の富山県訪問団に併せて開催される「とやま文化DAYS」について感謝すること、③今後、両県・地方知事が署名した新しい協定書をもとに関係を発展させたいとのご挨拶をいただきました。

 

22石井知事による挨拶1.jpg

 その後、スライドにより、立山黒部アルペンルート・黒部峡谷・世界遺産五箇山などの県内主要観光地や、桜や紅葉、スキーなどの四季折々の魅力、新鮮で豊富な富山湾の海の幸など食の魅力に加え、本年4月にオープンした「能作」の新社屋や8月に全面開館する富山県美術館などの新たな観光資源を紹介するとともに、旅行の広域モデルコースなどについてプレゼンテーションを行い、本県の多彩な魅力を参加者にPRしました。

 参加したロシアの旅行会社からは、①ウラジオストクは雪がほとんど降らないため、雪の大谷はとても魅力的であり、また、チューリップフェアも人気が出ると思うので、富山県への春のツアー商品の造成を検討したい、②新湊の内川は、今回の交流会で初めて知ったが、とても美しく風情があり、是非お客様にお勧めしたい、など富山県への送客について前向きなご意見をいただいたほか、③今後のより一層の相互送客の促進に向け、富山―ウラジオストク便の復活を大変期待している、との感想をいただきました。

 友好訪問団顧問の稗苗県議会議長からは、今回の訪露の訪問先の至るところで両県・地方の交流の絆を感じることができ、うれしく思うとのスピーチがありました。

 次に、高岡銅器の伝統工芸職人の島谷好徳氏より、富山県の伝統工芸や高岡銅器についての説明と、「すずがみ」作製の実演をしていただき、ロシアからの参加者に「すずがみ」作りを体験してもらうなど富山県の伝統工芸技術の一端に触れていただきました。また、併せて、地酒も試飲できるコーナーを設け、多くの参加者に富山の地酒の美味しさをご堪能いただきました。

 富山県商工会議所連合会の髙木会長からは、富山県は江戸時代以降、日本海側屈指のモノづくりの伝統を有し、高岡銅器は日本を代表する伝統工芸品の一つであることや、今後ロシア貿易の玄関口である伏木富山港のPR活動に積極的に取り組むことなどについて、また、日露友好議員連盟会長で訪露団の団長である大野県議からは、現在休止中の富山―ウラジオストク便の将来の再就航については石井知事や自分も熱意を持っており、再就航に向け、関係者みんなで努力していきたいことなどについて、各々スピーチがありました。

 

23出席者と乾杯を交わす石井知事.jpg 

3 おわりに

 今回の訪韓・訪露では、百聞は一見に如かずの言葉どおり、ソウルやウラジオストクで責任のある立場の方々に直接会い懇談でき、大いに見聞を広げることができました。また、民間の皆さんと連携しながら、私を含め県職員が自ら汗をかいて、努力していくということが、多くの方々に出会い、ふれあい、意義のある交流を推し進めていくうえで大切であると、改めて実感しました。

 特に、ミクルシェフスキー知事とは、初対面でしたが、信頼関係を構築することができ、ウラジオストク国立経済サービス大学のラザレフ理事長をはじめロシア沿海地方の皆様とも、親しく交流できました。また、韓国やロシアの旅行会社をはじめ、観光説明会に参加していただいた方々に、富山県の魅力を強くアピールするとともにFESCOのワジム ウラジオストク支社長、ウラジオストク商業港のブラボーヴィッチ副社長やエアソウルの柳代表取締役社長などとも、今後につながる有意義な会談をすることができました。沿海地方とやま友の会設立総会でも、たくさんの会員の皆さんにご参加いただき、富山県と沿海地方との強い絆を再確認でき、感銘を受けたところです。

 国レベルでの様々な協力や友好関係の構築、関係改善を進めていくためには、地方レベルでの連携協力が必要不可欠です。富山県と沿海地方との交流が、その一翼を担うとともに、日露の地域間交流のフロントランナーとして、Win-Winの関係で共に発展できるよう今後とも着実に取り組んでまいります。

2017.8. 3